【Prolimatech Armageddon】 Intel LGA775冷却性能検証 その二│MaterialisticA -マテリアリスティカ-

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Intel LGA775 冷却性能検証:ハイエンドCPUクーラーとの比較

120mnm角ファン搭載CPUクーラーとの比較

 本来『Armageddon』と比較すべきハイエンドCPUクーラーは、軒並み120mm角ファンまでの対応となっており、140mm角ファン専用の『Armageddon』と条件を合わせるのは無理があります。そこで今回は、「Armageddon + 140mm角ファン」のパフォーマンスが、「ハイエンドCPUクーラー + 120mm角ファン」と比較してどの程度のものなのかを比較するグラフを作成してみました。

 検証条件はいつも通り『CPUクーラー検証レギュレーション for Intel LGA 775』に準じていますので、利用した負荷テストなど、詳しくはそちらをご覧ください。



比較用CPUクーラー

 『Armageddon』の位置づけを考えると、本来ならハイエンドサイドフロー型CPUクーラーと比較すべきところなのですが、140mm角ファンしか取り出来ない為、今回は冷却性能を比較する製品として、140mm角ファンを取り付け可能な以下のCPUクーラーを用意しました。

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Noctua NH-D14

Noctuaの最新モデルにしてフラッグシップモデル。バックパネル側に排気する方向で取り付け。

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Prolimatech Megahalems

Prolimatechの第一弾製品となったサイドフロー型のハイエンドCPUクーラー。バックパネル側に排気する方向で取り付け。

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Scythe 夜叉

ScytheオリジナルCPUクーラーのサイドフローモデル。今回はノースブリッジのヒートシンクと干渉したため上面排気方向で取り付け。

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Thermalright Venomous X

「Ultra-120 Extremeシリーズ」の後継モデルとなるThermalrightのハイエンドCPUクーラー。バックパネル側に排気する方向で取り付け。

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Thermalright AXP-140

Thermalright AXP-140

HTPC向けを謳うThermalright製ハイエンドトップフロー型CPUクーラー。標準クリップで120mm角・140mm角とも取り付け可能。

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Scythe ZIPANG2

Scythe ZIPANG2

Scytheのローハイト・トップフロー型CPUクーラーZIPANGの後継機モデル。140mm角ファンは初代ZIPANGのクリップを使用して取り付け。

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Intel LGA775 冷却性能検証:定格動作(3.0GHz@1.245V)

 まずはTDP 130Wの『Core 2 Extreme QX9650』を、定格で動作させた際の冷却性能比較結果です。

 グラフは搭載ファン毎に色分けしており、ファン搭載数はCPUクーラー名と併記(シングルファンに関しては記載なし)しています。また、グラフは項目ごとに低い温度を記録した製品順に並べてありますので、最上段の製品がその条件で最も優れた結果を記録したヒートシンクとファンの組み合わせいうことになります。

このグラフはCPUクーラーとファンの組み合わせを一つの項目として比較するものなので、140mm角ファン搭載製品と120mm角ファン搭載製品を並べて比較できますが、それはヒートシンク単体の性能を表すものではない点にご注意ください。

 なお、今回は『Armageddon』の記事ですので、『Armageddon』に関しては製品名部分を赤枠で囲んでいます。

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ソフトウェア測定結果(HWMonitor 1.15)

実測結果(どこでも温度計2)

 

搭載ファンが異なるので評価が難しいですが、仮に

  • KAZE-JUNI 1900rpm : GLOBE FAN 1500rpm
  • KAZE-JUNI 1200rpm : GLOBE FAN 1200rpm
  • S-FLEX 800rpm : GLOBE FAN 900rpm

という感じで当てはめてみると、CPU温度に関しては『夜叉』や『Venomous X』に近いような記録と言えなくもありませんが、±1℃の範囲に多くの結果が密集しているので難しいところです。

周辺冷却に関しては概ね良好な結果といってよさそうですが、低速ファンとの組み合わせが優秀な反面、回転数の高いファンと組み合わせても温度が大して下がらないため、他のサイドフロー型CPUクーラーと比較して飛びぬけて周辺冷却性能が高いという印象は薄いです。

 ただ、ファンの性能は単純に風量だけで表されるものではないので、自分で当てはめておいてなんですが、上記の当てはめ方が適当なものというにのはちょっと無理がありますね。『GLOBE FAN 1500rpm』と『KAZE-JYUNI 1900rpm』なら、『GLOBE FAN 1500rpm』の方が静かな分、風圧は『KAZE-JYUNI 1900rpm』の方が強かったりする訳なので…。






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Intel LGA775 冷却性能検証:3.6GHz@1.300V

 『Core 2 Extreme QX9650』を定格の3.0GHz@1.245Vから、3.6GHz@1.300Vにオーバークロックして動作させた際の冷却性能比較結果です。 この条件では、C1EやEISTと言った省電力機能はオフにしています。

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ソフトウェア測定結果(HWMonitor 1.15)

実測結果(どこでも温度計2)


 この条件で『Armageddon』が記録した最も低い温度は、『GLOBE FAN 2000rpm』を2基搭載した際の53℃でした。これはこの条件で最も低い温度を記録している『Megahalems』+『ULTRA KAZE 3000rpm』×2基と3℃差ですが、全体で7番手の記録で『Megahalems』と『NH-D14』以外のCPUクーラーより低い温度となっています。

それ以外の結果に関しても、風量の近いファンを搭載した『夜叉』や『Venomous X』に対しては同等か若干上回るパフォーマンスを記録しており、ハイエンドCPUクーラーとしての面目は保っていると言って良いのではないかと思います。


 周辺冷却に関しては、前のページで紹介したようにファンによる変化が少ない分、高速ファン搭載時の結果こそイマイチパッとし無い半面、低速ファン搭載時に関してはサイドフロー型の中ではなかなかの結果となっているようです。

CPU冷却ではイマイチ120mm角ファンに対するアドバンテージが見えづらい140mm角ファンですが、周辺冷却ではその大風量の恩恵を得られているような感じです。






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Intel LGA775 冷却性能検証:4.0GHz@1.425V

 『Core 2 Extreme QX9650』を定格の3.0GHz@1.245Vから、4.0GHz@1.425Vにオーバークロックして動作させた際の冷却性能比較結果です。 この条件ではC1EやEISTと言った省電力機能はオフにしています。

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ソフトウェア測定結果(HWMonitor 1.15)

実測結果(どこでも温度計2)


 前のページのテストでは『ZIPANG2』や『AXP-140』を圧倒したこの条件ですが、流石にハイエンドCPUクーラーとの比較ではそうもいかないようです。『GLOBE FAN 2000rpm』デュアルファン構成時の記録は、トップの『Megahalems』+『ULTRA KAZE 3000rpm』×2基に3℃差を付けられ、全体で5番手の記録となっています。

結局上位二製品を上回るほどの結果を記録することこそ出来ませんでしたが、『GLOBE FAN 1500rpm』搭載時に『ULTRA KAZE 3000rpm』搭載の『夜叉』と同じ温度を記録するなど、ハイエンドCPUクーラーらしい結果は一応残していますね。『ULTRA KAZE 3000rpm』クラスの風圧を持った140mm角ファンがあれば…どうなるんでしょうね。


 周辺冷却性能に関しては、サイドフローとしてはやはり優秀な感じがしますね。ただ、デジタルPWMやチップセットなど風が直接あたる範囲に関しては、風量・風圧の強いファンを搭載したトップフロー型には敵いませんね。まぁ、サイドフロー型の周辺冷却性能としては十分なパフォーマンスを発揮していると言って良いのではないかと思います。






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Intel LGA775 冷却性能検証:まとめ

ファンのラインナップが充実すればあるいは…

 個人的には、この比較を含めても『Armageddon』というCPUクーラーを評価するにはちょっと足りない気がしますが、結果的に『Armageddon』のCPU冷却性能は『GLOBE FAN 2000rpm』を使っても『Megahalems』と『KAZE-JYUNI 1900rpm』と同程度でした。

これでは、140mm角ファンや『Megahalems』の後継という要素からするとやや物足りない感じがするのは確かです。ただ、周辺冷却性能も含めて考えれば、サイドフロー型としてはCPU・周辺ともバランス良く冷却出来るCPUクーラーであるとも言えるのではないでしょうか。


 騒音やコストを度外視して、空冷でCPU冷却性能を追求するような用途に使用するには、120mm角ファン非対応・25mm厚ファンのみの対応という仕様が壁になりそうです。ヒートシンクのポテンシャルが高いのは今回の検証結果から察することができますが、『Megahalems』のようにポテンシャルを引き出せるファンが入手しやすい状況ができないと…。

今後140mm角ファンのラインナップが充実し、『ULTRA KAZE 3000rpm』のようにパワーのあるファンが安価で買えるようになれば、『Armageddon』の価値が高まる可能性は十分にあると思います。しかし、現在の状況を考えると、120mm角ファンとの互換性はデュアルファン対応と同様ハイエンドCPUクーラーには必須要素なのではないでしょうか。


 高いレベルでバランスのとれた冷却性能と、メモリとの干渉緩和。確かに魅力的な要素ではありますが、CPUクーラー本体に掛るコストと140mm角ファンを用意するコストを考えると、コストパフォーマンスが高いとは言えません。『Megahalems』が市場から消えていくなか、その後継として『Armageddon』が最適な選択肢となり得るかは微妙なところですね。Rev.Bあたりで120mm角ファンが取り付けられるようになれば良いのですが…。



一応LGA 775はサポートされていないソケットですので…。

 微妙なところと締めておいてなんですが、今回の検証環境は『Armageddon』が正式にサポートを謳っていないLGA 775環境での検証結果となります。つまり、今回の結果は『Armageddon』本来のパフォーマンスが発揮できていない可能性が無きにしも非ずと言うことになります。

(正直そこまで差がでるとは思えませんが、)正式サポートを謳うLGA 1366/1156に最適化された設計をされていないとも限りませんので、今回の結果はあくまでも参考程度ということにして頂ければと思います…。


 『Venomous X』やFrio』も含め、少なくともLGA 1366での検証はする予定ですので、気長にお待ちいただければと思います。



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