『TRue Black 120』は、Thermalrightブランドのフラッグシップモデルとして、長い間定番ハイエンドCPUクーラーとして人気を集めていた製品です。
後継に当たる『Venomous X』の登場までに2度リビジョンチェンジを行い、LGA 1366への対応やAMD用リテンションの変更、低速ファンでのパフォーマンス向上を狙ったフィンへの穴開けなどの改良を施されてきましたが、今回比較検証に用いたのは初代の『TRue Black 120』です。
なお、初代はLGA 1366ソケットへの取り付けをサポートしていないので、Venomous Xのリテンションを流用して取り付けを行っています。この二製品はベース部の仕様的にリテンション部分の互換性はあるようですが、正式なリテンションでは無い点をご了承ください。
サントラスト『大薙刀メタルブラック』は、ヒートパイプがCPUのヒートスプレッダに直接接地するタイプのベース面を採用したCPUクーラーです。5本の8mm径ヒートパイプを備え、このタイプのベース部を採用した製品の中で最高クラスのスペックを誇る製品です。
私が過去に行った検証では、LGA 775では揮わなかったものの現在コンシューマ向けに販売されているCPUの中で最もヒートスプレッダ面積の広いSocket AM3環境で、非常に優秀な結果を記録していた製品でもあります。
なお、本製品には静音志向の120mm角ファンが同梱されているのですが、不慮の事故で破損してしまったため、今回の検証でオリジナルファン搭載時のパフォーマンスは測定出来ておりません。何卒ご了承くださいませ。
Thermalright 『Venomous X』は、長きに渡りThermalrightブランドのフラッグシップモデルとして君臨してきた「Ultra-120 eXtreme シリーズ」の後継にあたる製品です。つまり、『TRue Black 120』に代わるThermalrightのフラッグシップモデルということですね。
形状は「Ultra-120 eXtreme シリーズ」を踏襲しつつ、フィン枚数を減らしてフィンピッチを広くしたほか、荷重調整が可能な新型リテンションの採用や鏡面仕上げのベースなどの変更が行われています。
私の過去のレビューでは、IntelのLGA 775環境では先代に当たる『TRue Black 120』に及ばないという後継モデルにあるまじき結果に終わっていましたが……。
Prolimatech『Megahalems』は、Prolimatechブランド第一弾としてリリースされたハイエンドサイドフロー型CPUクーラーです。新興メーカーの第一弾製品ながらThermalrightの『TRue Black 120』を凌ぐポテンシャルを持った製品でした。
価格・性能とも非常に優れた製品だったので、個人的に昨年のオススメCPUクーラーとして紹介させてもらったりもしたのですが、残念ながら国内流通はほぼ終息してしまったようですね。放熱部の一部に銅製フィンを採用した後継の『Super Mega』が登場するようなので、それに期待したいところです。
Noctuaブランドのフラッグシップモデルとして登場した『NH-D14』は、2ブロックの放熱部の間にファンをサンドするタイプのサイドフロー型CPUクーラーです。非常に丁寧に作り込まれており、空冷CPUクーラー最高峰のパフォーマンスを実現しています。
大型ヒートシンクを備えたメモリを使っている場合などは干渉問題が発生してしまうという問題を抱えていますが、空冷CPUクーラーとしてはパフォーマンス・作りの良さとも最高峰に位置する製品ですね。