【DEEPCOOL GAMER STORM】 First Impression│MaterialisticA -マテリアリスティカ-

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First Impression:製品概要

DEEPCOOL『GAMER STORM』

DEEPCOOLのハイエンドCPUクーラー『GAMER STORM』

 DEEPCOOLブランドのハイエンドCPUクーラー『GAMER STORM』は、TDP 150W(AMDは140W)対応を謳う、120mm角ファンを2基搭載可能なサイドフロー型CPUクーラーです。

標準で付属するリテンションは、Intel LGA 775/1156/1366およびAMD Socket AM2/AM2+/AM3への取り付けをサポートしており、物理的な干渉が無ければ現在主流のマザーボードの大半をサポートしています。


 ハイエンドCPUクーラーにはファンが同梱されていない製品も少なくないですが、『GAMER STORM』には同社のオリジナルファンが1基同梱されており、別途ファンを購入しなくても使用することが可能です。

その他、『GAMER STORM』の大体のスペックは以下の通りです。

製品名
GAMER STORM
形状
サイドフロー型(空冷)
本体寸法
98(D)×134(W)×158(H)mm (※ファン一基搭載時)
横幅はファンクリップを含めると約139mm
ベース部寸法
50×39.5mm(実測)
ヒートパイプ
6mm径×6本
放熱フィン数
47枚 + 1枚(最上部)
放熱フィン厚
最上部:0.7mm(実測)
それ以外:0.5mm(実測)
本体重量
1189g(公式サイトより)
808g(実測・ヒートシンクのみ)
対応ファン
120mm角(リブ無し)×2基
付属ファン
120mm角25mm厚ファン×1基
電源プラグ:4pin(PWM制御対応)
回転数:500±200~1500±10% rpm
風量:66.3CFM(最大)
騒音:17.6~27.6dBA
ファン固定具
金属クリップ×4個(ファン2基分)
対応TDP
Intel:150W
AMD:140W
対応ソケット
Intel:LGA 775/1156/1366
AMD:Socket AM2/AM2+/AM3(※)
固定方法
Intel LGA 775/1156:バックプレート+ネジ止め
Intel LGA 1366:ネジ止め
AMD:バックプレート+ネジ止め

※メーカーサイト(日本語)にはSocket 939/940/754をサポートしているとの記述がありますが、英語サイトやマニュアル、製品パッケージには記載されておらず、対応リテンションも同梱されていません。

 『GAMER STORM』のリテンションは、LGA 775/1156とAMD用はバックプレートを使ったネジ止めとなっていますが、LGA 1366に関してはバックプレートが用意されておらず、ネジとナットを使った固定となっています。

本体+リテンションキット

付属グリス付属ファン


 また、バックプレートを固定に用いる最近のCPUクーラーは、複数のソケットを1つのバックプレートでサポートするという、バックプレートの共通部品化を進めていますが、『GAMER STORM』に関してはLGA 775用、LGA 1156用、AMD用の3つのバックプレートが同梱されています。

別に共通化せずにコストが高くついたとしても、製品の価格が安ければユーザーには問題ないのですが、Intelソケット系くらいは共通化して全ソケットバックプレート対応にして欲しいところです。

 ちなみに、本体側のリテンションはIntelソケット用の共通パーツが用意されています。そこをやっておきながら、何故バックプレートを共通部品にしなかったのでしょうね? 干渉を気にしたとかでしょうか。






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First Impression:外観写真

やや複雑な形状の放熱部を備えたサイドフロー型CPUクーラー

 『GAMER STORM』の基本的な構造は、銅製のベース部で受け取った熱をベース部を貫通している6本のヒートパイプで放熱部に伝えるというもので、複雑な形状の放熱部がやや目を引くものの、形状的にはサイドフロー型CPUクーラーらしいサイドフロー型CPUクーラーです。まぁ、普通ってことですね。

形状的には"普通"ですが、放熱部やヒートパイプなど、ほとんどの部分に光沢のある黒色めっきが施されており、かなり見た目の良い製品に仕上がっています。


 ヒートシンクの全高は158mmで、大型のサイドフロー型CPUクーラーとしては高過ぎないものの、低い訳ではない…つまりまぁ"普通"な高さですね。ちなみに、Thermalright『TRue Black 120』が160.5mmなので、これが収まった実績のあるケースであれば、側面板との干渉はおそらく問題ないかと思います。

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高さ比較▲ Prolimatech Megahalemsとの高さ比較






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銅板に鏡面加工を施したベース面を採用

 『GAMER STORM』のベース面は鏡面になるまで研磨された銅板です。ほぼ全体に黒色めっきが施されている『GAMER STORM』ですが、ベース面だけは銅板がむき出し。しかも、めっきに頼らず鏡面を実現しています。

まったくキズがないという訳ではありませんが、ベース面はかなり綺麗な鏡面になっています。また、平面に関してもスケールをあてた程度では凹面・凸面を判断できない加工となっています。

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ベース面の平面度


 ベースとヒートパイプの接続部に関しては、ベース側にヒートパイプに合わせた溝を彫ったうえで、ヒートパイプを潰さずに挟み込んでいます。ろう付けされているというのもポイントですが、ヒートパイプに合わせた溝の精度もかなり高く、ほとんどスキマが目立たない素晴らしい出来です。

ベース面の仕上げと言い、ヒートパイプとの接続と言い、『GAMER STORM』のベース部に関しては、かなり良い作りだと思います。

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DEEPCOOL『GAMER STORM』_0021.JPGベース上部には小型の放熱フィンを搭載






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黒色めっきが美しい放熱部

 『GAMER STORM』の放熱部は、2種類のアルミ製放熱フィン計48枚で構成されています。ただし、全48枚中唯一形状の異なる最上段の放熱フィンに関しては、下の放熱フィンにネジで固定されており、ヒートパイプと接続されていません。つまり"飾りフィン"ということですね。

最上段以外の放熱フィンに関しては、左右非対称の放熱フィンを交互に方向を変えながらヒートパイプに差し込んで固定されているため、一見すると2種類の放熱フィンを使っているように見える放熱部を形成しています。

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DEEPCOOL『GAMER STORM』_0022.JPG▲ 最上段のフィンはヒートパイプと接続されていない


 放熱フィンとヒートパイプの接続は、多くのCPUクーラーで採用されている放熱フィンにヒートパイプを差し込んむタイプとなっています。ろう付けの有無に関しては、黒色めっきのせいで見えてないだけかもしれませんが、見た限りではされて無いように見えます。

 余談になりますが、全体がめっき処理されている『GAMER STORM』のなかでも、放熱フィンのめっき処理は光沢感のあるかなり綺麗な仕上げとなっています。

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オリジナルの標準ファンが付属、デュアルファンにも対応可能


GAMER STORMには標準で同ブランドオリジナルの120mm角ファンと、2基のファンを搭載できるだけの固定用クリップが同梱されています。

このため、ユーザー側でファンを用意する必要がなく利用できますし、標準ファンに不満があれば別売りのクリップなどを用意する必要も無くファンの交換・増設が可能となっています。

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 同梱されいているオリジナルファンはPWM制御に対応しており、500~1500rpmの範囲で回転数をコントロール可能とされています。最大風量66.3CFM、動作音 17.6~27.6dBAというスペックですが、どちらかと言うと静音よりな感じですね。

また、ファン用のオプションとして、7V動作用ケーブルや、PWM対応の2分岐ケーブル。ペリフェラル⇒ファン電源変換ケーブルが同梱されており、ファン関連のオプションはそれなりに充実していますね。

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 『GAMER STORM』のファン固定クリップにはヒートシンクに引っ掛ける作業を楽にするため、一部を曲げて手で引っ張りやすい形状になっています。実際これで作業自体はしやすいのですが、ファンを固定するとその部分がヒートシンクより外側にはみだしてしまう為、ファンを固定するためにはヒートシンク寸法の134mmより5mm広い139mmのスペースが必要になります。

まぁ、139mmでも極端に広すぎるという訳ではありませんが、CPUソケットと拡張スロットの最上段が近いマザーを使用されている場合、多少注意された方が良いかも知れません。

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DEEPCOOL『GAMER STORM』_0062.JPG▲ 最上部のフィンにはクリップ固定用の切り欠き無し

DEEPCOOL『GAMER STORM』_0063.JPG▲ 金属クリップがヒートシンクより外側にはみ出るので注意





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First Impression:まとめ

見た目はなかなか、果たして冷却性能は…。

 ベース部の作りの良さや放熱部のめっきのクオリティなど、ハイエンドCPUクーラーらしさを感じられる製品だと思います。一方で、最上段のフィンがほぼ飾りでしかない点や、その飾りにファンクリップ用の切り欠きが用意されていないのはちょっと考えものです。

ハイエンドCPUクーラーである以上、冷却性能だけでなく見た目も重要な要素であるのは確かにそうなのですけどね…。


 多くのサイドフロー型CPUクーラーに共通した不満点を挙げれば、AMD環境で取り付け方向の選択が出来ない、大型ヒートシンクを搭載したメモリとの干渉問題などもありますが、まぁこの辺はこれに限った事では無いですからね…。他のCPUクーラー同様注意が必要と言ったところでしょうか。


 ちょっと不満点を並べてしまいましたが、見た目やスペックに関しては価格以上にハイエンドらしい製品です。4,980円という現在の販売価格なら「この値段なら買ってもいいかな?」と思わされるに十分な魅力を持った製品であると思います。

あとは冷却性能に定評のあるCPUクーラーと比較して、どの程度のパフォーマンスを発揮できるかですね。



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掲載日:2010/06/29

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